IQレンジに遮断電池オプションが加わる
ロトルクがIQT遮断電池オプションをリリースしたことにより、IQT3レンジの90度回転用アクチュエータ(電源は、単相、3相、DCから選択可能)の操作がよりフレキシブルになりました。この一体型電池オプションが加わったことにより、防爆アプリケーションでのフェイルセーフ動作が可能となりました。電源または通信喪失時の動作を予め設定しておくことが可能なため、電源断時または緊急遮断(ESD)時でも重要な動作制御を維持することができます。防爆設計のIQT3に遮断電池オプションが搭載されたのは今回が初めてです。予備の電源は、アクチュエータ本体内のリチウムイオン電池から供給されます。このように、本オプションでは、一体型の電池パックを使用するため、小型且つ防爆の遮断オプションとなります。
主電源喪失時でも遮断電池が自動的に機能し続け、重要なバルブをストローク終端の安全位置(設定可能)まで移動させます(フェイルセーフ動作)。なお、本フェイルセーフ機能(安全動作)は、お客様のご要望に応じて、フェイルクローズ、フェイルオープン、現状位置保持、指定位置(開度_%)まで移動、から選択することができます。この機能により、必ず、プロセスが安全な状態で完了しますので、安全上の問題や、制御喪失に起因する金銭的負担を回避することが可能となります。なお、本遮断電池オプションでは、フェイルセーフ機能の実行にあたり、コンプレッサ等の追加のバックアップシステムは不要です。
IQT遮断電池オプションにはUPSモードが用意されているため、主電源喪失時でも、電源が尽きるまで通常通りアクチュエータを制御・操作することが可能です。そのため、電源断に起因する収益の遅延や損失のリスクを減らすことが可能なのです。
ポンプステーションのような辺境地では、太陽光発電所のニーズが高まりますが、IQTは太陽光電力の変動を軽減し、高価な外部電源も必要としません。
IQT遮断電池は、電源断時の更なるフェイルセーフ動作が要求される無人アプリケーションに最適です。同オプションは、ウェルヘッド、配管故障、高/低圧シナリオ等のPSD(またはESD)バルブのアプリケーションに適しています。また、フェイルセーフ動作を実行するまでの遅延時間を設定することも可能です。現場でアクチュエータから電源の供給を受けることができるため、「一触即発」のスプリングベースのESDシステムでは実行不可能なフレキシブルな動作を実行することが可能です。信頼性の低い電源により、電源または通信システムが一時的に喪失しても、操作の継続が可能であるため、貴重な稼動時間を無駄にすることなく、また、金銭的負担の大きい再起動も必要ありません。
IQT遮断電池オプションは、段階的に(または漸次的に)遮断が要求される調整弁、ブローダウン弁及び制御プロセスに最適です。また、原油の移送や、殆どが無人の天然ガス保管移送ステーション(このような場所では、電源喪失時に、バルブにフェイルセーフ動作を実行させて、流体を貯蔵タンクに戻さなければなりません)にも最適です。遮断電池オプションは、スプリングリターン式フェイルセーフアクチュエータの代わりとして使用可能な小型のモジュールです。
この新型モジュールは、既存のIQT3レンジと同じ機能を有しています。IQT3遮断オプションは他のIQやロトルクアクチュエータと共通のユーザーインターフェースと診断機能を備えた変更制御ネットワークを内蔵しているため、タンクファーム等の、バルブが様々な機能を実行するアプリケーションでは、この点がメリットとして働きます。このような相互互換性により、上記に加え、トレーニングや試運転調整の時間も削減することができます。IQTと同様、防水且つ防爆仕様(ATEX、 ICEx、CSA、CSAus 認証取得)により、高い柔軟性と信頼性を実現しています。また、部分ストローク機能、速度設定(現場で調整可能)、ダブルシール構造の筐体(IP68)、Bluetooth®通信機能も継承しており、毎時の始動回数は最高1200回、全ネットワークに対応しています。
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