連続制御

世界中のプロセスエンジニア, 2022年5月


連続制御

プロセス制御アクチュエータは、精密且つ正確であるため、産業やアプリケーションを問わず、選ばれています。同アクチュエータは調整弁を操作し、自動化でしか得られない高水準の一貫性と信頼性を提供しています。

調整弁はプロセス制御の中核を担っており、アクチュエータから操作すると、流量、圧力、温度等の変数に応じて、液体やガスの流量を変化させます。モジュレーティング用調整弁は、プロセス制御システムや、プロセスシステムの設定値の条件に従って流量を制御しなければならない様々なフローシステムで一般的に用いられています。

プロセス制御アクチュエータでは、正確な位置制御と連続モジュレーティングが可能であるため、化学製品の製造、食品&飲料、鉱業、発電、水道等の場面で使用されています。石油&ガスアプリケーションでは、同アクチュエータは、ウェルヘッド、シェールガス設備のチョーク弁、定量ポンプのストローク調節装置で使用されています。プロセス制御用アクチュエータによって実現した高精度により、プロセスの変動を大幅に減らし、製品の品質や、プラントの生産量に肯定的な影響を与えています。

プロセスの変動をなくす

閉ループシステムを使用するプロセス制御アプリケーションでは、プロセスの変動を防止することが望まれます。プロセスの変動は、制御ループの性能の低下の大きな原因となり、不安定化を引き起こします。精度が上がるにつれて、プロセスでより高度な制御を実行することが可能となり、これによって一貫性が生まれるのです。閉ループ制御アプリケーションでは、プロセス制御用アクチュエータが頻繁に調節を行っています。このようなアクチュエータは、最終目標量を確実に達成するために一貫性を維持しなければならないのです。アクチュエータによって実現するプロセスの一貫性の重要性を示す一例となるのが、工業的燃焼(例:ガラス製造)であり、このような場面では、主に、動作の効率性と、プロセスの変動をなくすことが必要となります。プロセスが確実に予定通りに機能するように、標準的な燃焼システムの監視は、制御ループ内のセンサーが信号を送信することにより行います。プロセス制御アクチュエータの重要な特長は、精密な位置制御が可能であることです。例えば、ロトルクのCVA精密モジュレーティングアクチュエータは、ほぼ瞬時の位置変化に応答することが可能です。4-20mAの信号を利用した位置制御により、最高精度0.1%を実現します。

燃焼においては、アクチュエータを用いて燃料や空気の適切な注入を管理すると、完全且つ効率的な燃焼が可能となります。このような完全燃焼では、燃料の燃え残りや無駄を出さずに最適な水準の熱を生み出すため、温室効果ガスの排出削減、コストの節約、規制基準の達成のためのカギとなります。プロセスの変動を取り除くアクチュエータ(制御ループアプリケーション向けに設計・構成されたもの)を使用すると、工業燃焼等のプロセスアプリケーションが、本当に信頼性が高く、安定したものとなります。例えば、アジアの繊維ガラスメーカーのグローブ弁にはCVAアクチュエータが設置され、同アクチュエータが燃焼炉で生ガラスを溶かすために天然ガスと酸素の割合を正確に制御しています。適切な高精度のプロセス制御アクチュエータ使用したことにより、完全燃焼を実現し、ガスや酸素を無駄にすることがなくなりました。

連続使用

プロセス制御アクチュエータを必要とする産業やアプリケーションは沢山ありますが、これは主に、連続で使用する必要があるからです。 適切なフロー制御ソリューションとは、正確性や精密性を犠牲にすることなく、高い作動要求に長期間耐えることが可能な連続モジュレーティング制御を実現するものでなければなりません。モジュレーティング制御とは、単なるオンオフ機構ではなく、流量を精密に制御するものです。食品&飲料の生産においては、再現可能な位置制御により、再現性とばらつきのない製品を約束します。日々、ばらつきなく、全く同じ最終製品を生産することは、同産業の基本要件です。ロトルクの調整弁用アクチュエータCVAは、英国ウェイクフィールドのコカ・コーラ社の現場で、モジュレーティング及びフェイルセーフ動作を提供しています。既設の空圧式アクチュエータからアップグレードして、空圧源の供給・維持費を削減するための一環として、同アクチュエータが選定されました。なお、このCVAアクチュエータは、生産及びCIP洗浄の作業で使用されています。

水素の生産

プロセス制御は新しいエネルギーシステムで用いられています。国際的な温室効果ガス排出削減目標を達成するため、世界のエネルギー供給は、化石燃料から脱却する必要があります。水素等の代替エネルギーの生産が益々重要になっています。グリーン水素(再生可能エネルギーを使用し、燃焼時に水しか放出しないため、温室効果ガスの排出はゼロと考えられています) は水の電気分解により生産することが可能ですが、それにはプロセス制御アクチュエータを用いた精密制御が必要です。 現在、水素の生産には高額な費用がかかるため、スムーズ且つ効率的に生産を行う必要があります。プロセス制御アクチュエータを用いて電解プロセスにおける水、水素、付随する炭化水素の流れを自動化することが可能ですが、これには正確性が必要不可欠です。安全を保証するため、このようなアプリケーションで使用するプロセス制御アクチュエータは、防爆認証(ATEX、CSA、IECEx等)を取得しています。化学製品の生産、水、食品&飲料、発電、工業、そして様々な石油&ガスシステム等において連続動作やモジュレーティング動作を必要とするアプリケーションでは、専用のプロセス制御ソリューションが必要不可欠です。プロセス制御アクチュエータは、再現可能な信頼性の高い動作を提供してプロセスの変動を減らし(またはなくす)、一貫性のある信頼性の高い結果を保証します。

 

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